介護ロボットはどこまで進んだ? 情報蓄積で「危険」予測も

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見守りシステムのデモンストレーション。職員が持つことを想定した端末では、居室の利用者の様子をプライバシーに配慮した状態で確認できる=横浜市内で2022年5月、山縣章子撮影
見守りシステムのデモンストレーション。職員が持つことを想定した端末では、居室の利用者の様子をプライバシーに配慮した状態で確認できる=横浜市内で2022年5月、山縣章子撮影

 慢性的な担い手不足が続く介護現場で、国はロボット技術の活用を進めようとしている。ただ、8割の事業所は導入していないとの調査結果もある。介護の現場は今、どこまで機械に頼ることができるのだろうか。

 ロボットと聞くと、自立して歩いたり、顔があって会話できたりする人型のロボットをイメージしがちだが、介護現場で広がりつつあるのはそれではない。「情報を察知し、判断して動く」という一連の機能を備えた介護向けの機械システム全般を指す。

 堺市の特別養護老人ホームは2019年、介護の見守りシステムを導入した。入居者の動きを見守るセンサーがあり、人の動きから転倒や転落の予兆を検知。職員が持つ端末に必要なサポートをするよう通知する。プライバシーを守るため、職員から見える画像はシルエットだ。

 導入後、職員が事故予防のために居室を夜間に巡回する頻度が減った。さらにシステムは、入居者ごとに危険な動作の特徴を見分けて通知することができる。職員には「夜勤の動きもスムーズになった」と好評だった。利用者側も、夜間に職員が居室に立ち入る機会が減り、「夜によく眠れるようになった」との声もあった。

 効果を踏まえ、当初より機器の台数を増やして入居者の状態に合わせた見守りに役立てている。施設長は「ベッドから起き上がっただけで居室に駆けつける必要がある人もいれば、そうでない人もいる。どう使えば個別の状況に対応できるかと、システムを活用するのに施設側の工夫が必要だ」と指摘する。

 公益財団法人「テクノエイド協会」(東京都新宿区)の五島清国企画部長によると、従来の主流は、居室のベッドの足元に敷いた「マット型センサー」だった。入所者が体を起こしたり、ベッドから離れたりした場合に知らせる仕組みだ。

 最近は、ベッド周辺に赤外線センサーや振動センサー、加速度センサーなどを設置し、認知したデータを解析。ベッドの端に座る「座位」や「柵越え」「転倒」など利用者の状態を、介護スタッフが持ち歩く室内端末に伝えたり、職員の執務室で複数の利用者の状況を一斉に見たりすることができる。堺市の特養のシステムもこのタイプだ。五島さんは「技術が進歩し、転倒防止だけでなく、バイタル(心拍数や呼吸数など)や睡眠の状況などのデータを取り、利用者の生活記録として使うなど、総合的な健康管理のシステムとして活用する施設もある」と説明する。

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