特集

ウクライナ侵攻

ロシア軍がウクライナに侵攻。米欧や日本は対露制裁を決めるなど対立が先鋭化しています。

特集一覧

中露に対し強硬姿勢を貫く なぜリトアニアは対抗し続けるのか

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
ウクライナに寄付するため募金により購入した軍用ドローンが公開され、一目見ようと集まったリトアニアの市民たち=リトアニア北部シャウレイで2022年7月6日、BNS/Scanpix・ロイター
ウクライナに寄付するため募金により購入した軍用ドローンが公開され、一目見ようと集まったリトアニアの市民たち=リトアニア北部シャウレイで2022年7月6日、BNS/Scanpix・ロイター

 バルト3国のリトアニアが、ロシアや中国に強い態度で臨む姿が注目されている。冷戦時代はソ連の一部だったが、今年に入り、ロシア産のエネルギーの輸入をやめるなど急速に「脱ロシア」を進める。人口約280万人の小国が、なぜそんなに「とがって」いるのか。リトアニア政府高官や識者に話を聞いた。

人口280万の小国

 リトアニアがひときわ関心を集めたのは5月、ロシアから電気、原油、ガスの輸入をすべて取りやめた時だ。「ウクライナへの連帯の表明になる。ロシアの戦争に出資することはやめなければならない」。リトアニアのエネルギー庁は声明で、その狙いを説明した。

 リトアニアは2013年ごろまで、天然ガスの100%、石油もほぼ100%をロシアからの輸入に頼っていた。14年にバルト海に面したクライペダ港で天然ガスのターミナルを稼働させると、ノルウェーや米国から天然ガスの輸入を開始。原油の供給元も中東などへの多角化を進めた。

 「ロシアは外交上のあつれきがあると、石油やガスの供給をカットして圧力をかけてきました。そのためロシア依存からの脱却は『永遠の課題』と思われてきました。それでも国家が相当な額を投資して、実現したのは驚異的なことです」。こう評価するのは、バルト3国の政治に詳しい北九州市立大の中井遼准教授(比較政治学)だ。

 電力を巡っても、東部のイグナリナ原発が国内使用量の7割を発電していたが、安全性が疑問視されたことから、欧州連合(EU)への加盟にあたり、廃炉を求められた。09年に原発を閉鎖すると、電力輸出国から輸入国への転落を余儀なくされた。国際エネルギー機関(IEA)によると、リトアニアは電力輸入国のままだが、再生可能エネルギーが国内の発電量の76%を占めるようになっている。

隣国にほんろうされた歴史

 ロシアが今年2月にウクライナ侵攻を開始した後、リトアニアは次々と対抗政策を取ってきた。議会は5月、侵攻を「ジェノサイド」であり「テロ」だと非難する決議案を可決。この月に市民から資金を募って、ウクライナに軍用ドローンを寄付したことも話題になった。6月にはEUの経済制裁に従い、隣接するロシアの飛び地カリーニングラード州への鉄道貨物輸送を一部止め、7月まで厳しい制限を続けた。このようなウクライナへの連帯は、どこから来るのか。

 「注目され始めたのは最近ですが、これはリトアニアがずっと訴えてきたことです」と中井氏は指…

この記事は有料記事です。

残り1404文字(全文2409文字)

【ウクライナ侵攻】

時系列で見る

関連記事

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る
この記事の筆者
すべて見る

ニュース特集