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15日は2カ月に1度の年金支給日。公的年金の支給額が6月の振り込み分から引き下げられ、物価高騰に関するニュースは連日のように流れる。「おばあちゃんの原宿」として親しまれる東京・巣鴨などで高齢者に暮らしぶりを伺い、経済ジャーナリストの荻原博子さんに簡単にできるお薦めの「生活防衛術」を聞いた。【山縣章子】
記者は7月、七夕飾りの短冊が揺らめく巣鴨地蔵通商店街などで、マスクをして距離を取りながら、道行く高齢者に「年金受給額」や「節約術」を尋ねた。
以前、公的年金の支給額は年金額改定の指標となる現役世代の賃金が下がったため、今年度分は0・4%減となるという記事を読んだ。さらに、取材した高齢者から物価高で生活が大変という嘆きを聞いていたため、実際の高齢者の暮らしぶりが気になったからだ。
厚生労働省によると、自営業者など国民年金に加入している人の月の平均受給額は5万6358円。厚生年金だと基礎年金も含めて平均14万6145円だ。
国民年金を月に5万円ほど受け取る女性(73)にまず話を聞いた。高齢の夫と賃貸アパートで暮らしており、食費が重くのしかかっているという。女性は「チラシをチェックし、値段の安い物を買って無駄遣いをしない」と明かす。家にはエアコンはなく扇風機のみ。「首にタオルを巻けば涼しい。電気代も上がっているから、扇風機も使わないで済むよう水枕を使ってしのいでいる」と工夫を凝らしている様子を教えてくれたが、熱中症には気をつけてほしいと思う。
自転車で買い物に来ていた男性(73)は、約14万円の厚生年金をもらう。電気代を負担に感じているようで、「電気は新電力会社から購入し、LED(発光ダイオード)に付け替え、こまめに電気のスイッチを切っている」と紹介してくれた。
娘夫婦らと同居する83歳の女性も5万円ほどの国民年金でやり繰りする。女性は「娘が工夫して食事も作ってくれているので助かっている」と言う。
目減りする年金を働いて補う人もいる。総務省によれば、65歳以上の高齢者でパートなどで働いているのは25・1%(2020年時点)と4人に1人に上る。
50年近くプレス金型工場を経営する80歳の男性は「年金が安いから生活できない。今も働いている」と嘆く。機械を動かすので電気代がかさむ。「仕事で使うから抑えようがないけど、中小企業への支援があれば助かる」と切実だ。
持ち家で1人暮らしの女性(66)は月9万円の厚生年金を受け取るが、パートでも働いている。少しでも節約になればと古い冷蔵庫と洗濯機を消費電力の少ない機種に買い替えた。ただ、電気代が浮いている実感は乏しく、「1人暮らしは不経済」とぼやく。
経済ジャーナリストの荻原博子さんは、個人ができる生活防衛策として、まずは電気代と食費の節約術を教えてくれた。荻原さんが電気代でまず挙げたのは、…
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