リュウグウ試料に有機物守る「ゆりかご」物質 はやぶさ2持ち帰る

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リュウグウの粒子を観察した電子顕微鏡画像。含水ケイ酸塩などの鉱物が含まれている=JAMSTEC/Phase2キュレーション高知提供
リュウグウの粒子を観察した電子顕微鏡画像。含水ケイ酸塩などの鉱物が含まれている=JAMSTEC/Phase2キュレーション高知提供

 探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウから持ち帰った試料から、水や有機物を熱による分解や変化から守る「ゆりかご」の役割を果たしたとみられる物質と構造を見つけたと、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や海洋研究開発機構(JAMSTEC)などの研究チームが発表した。地球の水や有機物は他の天体から運ばれたとの学説があり、こうした構造が水の起源や、有機物から生命が現れるまでの過程を解明する鍵になる可能性があるという。英科学誌ネイチャー・アストロノミーに16日、論文が掲載される。

 研究チームの伊藤元雄・海洋機構高知コア研究所主任研究員らは、物質の内部構造を分析する放射光施設などで、試料を1マイクロメートル(1000分の1ミリ)以下のレベルで詳しく調べた。その結果、炭素同士が鎖状に連なる構造の炭化水素(脂肪族炭化水素)が多く含まれる有機物を多数検出した。チームによると、同様の手法では、これまで他の隕石(いんせき)から検出されたことはないという。

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