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坂村健の目

東洋大情報連携学部(INIAD)の坂村健学部長が科学の視点でつづるコラム。

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「最後まで人工知能にできないこと」 商用作画AIから探る

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作画AI「ミッドジャーニー」が、「futuristic architectures(未来の建築物)」「cherry blossoms(満開の桜)」「in Kyoto in the spring of 2050(2050年春の京都で)」という題から描いた作品=坂村健さん提供
作画AI「ミッドジャーニー」が、「futuristic architectures(未来の建築物)」「cherry blossoms(満開の桜)」「in Kyoto in the spring of 2050(2050年春の京都で)」という題から描いた作品=坂村健さん提供

 近年、目覚ましい進歩を遂げている人工知能(AI)。将来、人間の仕事が奪われることはないのか。東洋大情報連携学部(INIAD)の坂村健学部長が語る「最後までAIにできないこと」とは?

 「AIにできなくて、人間にしかできないことは何か」という議論は以前からある。それが今またネットで盛り上がっている。

 きっかけは最近公開された「ミッドジャーニー」という作画AIだ。キーワードや情景描写の文章などテキストの「お題」を与えると、それに沿った絵を描いてくれる。絵のプロを含むさまざまな人々が面白がって試し、その「作品」をネットで紹介したため一気に有名になった。興味があれば検索していただきたいが、向いた絵柄の範囲でなら、生成された「作品」は人間のプロが描いたと言っても見分けがつかない美麗さだ。

 ミッドジャーニーはお試しの処理時間を超えると課金が必要となる。初の本格的商用作画AIサービスだが、課金してもいいと思わせるレベルの初のAIでもある。商用可なので漫画やアニメの背景、企業のコンセプトアート、映画のストーリーボードと利用も広がりそうだ。そのためネットでは「思っていたのとは逆に、クリエーティブな作業が得意なのはAIで、大多数の人間には単純作業しか残らないのでは」というような議論になって…

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