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/下 心の病語れぬ兵士 軍部、国民に存在否定

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中村江里・広島大准教授は新潟県にあった新発田陸軍病院の患者の病床日誌(カルテ)も分析している。一部は「昭和二十年八月十六日焼却セリ」と記載され、軍命令で焼却されたものがあったとみられる=中村准教授提供
中村江里・広島大准教授は新潟県にあった新発田陸軍病院の患者の病床日誌(カルテ)も分析している。一部は「昭和二十年八月十六日焼却セリ」と記載され、軍命令で焼却されたものがあったとみられる=中村准教授提供

 戦時中、多くの日本軍の兵士が戦争神経症と呼ばれる心の病を患った。だが軍部は国民には存在を否定し、戦後も当事者や家族は「恥」と考えて多くを語らなかった。奇跡的に残されたカルテは、戦地での戦闘の恐怖や自らの加害行為などに苦悩した兵士たちの姿を浮き彫りにする。

 「山東省ニテ良民六名を殺シタルコトアリ 之ガ夢ニ出テウナサレテナラヌ」

 精神疾患兵士を専門に治療する国府台陸軍病院(千葉県市川市)に入院したある兵士の病床日誌(カルテ)の一部だ。中国北部に出征したものの、1938年8月、病院に送られた。

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