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習近平の中国

習近平体制は党大会を経て3期目が始動。権力集中が加速する異例の長期政権は、どこに向かうのでしょうか。

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「習1強」の行方

中国の「脱炭素」は視界不良 省エネ車で牽引も石炭回帰が加速

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中国の習近平国家主席(手前)=マカオで2019年12月18日、福岡静哉撮影
中国の習近平国家主席(手前)=マカオで2019年12月18日、福岡静哉撮影

 中国の習近平指導部は気候変動対策のため、2060年に二酸化炭素(CO2)排出量の実質ゼロを目指すとの目標を掲げている。中国は電気自動車など新エネルギー車(NEV)の21年の販売台数が世界一となり、この分野で「脱炭素」推進の姿勢を国際社会にアピールする。ところが同年、CO2排出増につながる石炭火力発電への回帰が急激に進み、習氏が掲げた「脱炭素」への道は視界不良となっている。

 中国内陸部・湖北省武漢市にあるNEVの製造工場。生産ラインには重厚なボディーのミニバンがずらりと並び、流れ作業で次々と部品が取り付けられていく。「中国のNEVの強みは、市場全体が受け入れに熱心で政府も強力に後押ししていることだ。短期間で非常に大きな経験を蓄積できている」。国有自動車大手「東風汽車集団」傘下の自動車販売会社で副総経理を務める劉展術氏はこう強調した。

 20年設立の同社では30万元(約600万円)超の価格帯の…

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