「マイナポイント第2弾」 自治体のカード普及率になぜ差がでるのか

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マイナポイント第2弾のCM発表会に参加した金子恭之総務相(当時、左から3番目)とCM出演者ら=マイナポイント事業PR事務局提供
マイナポイント第2弾のCM発表会に参加した金子恭之総務相(当時、左から3番目)とCM出演者ら=マイナポイント事業PR事務局提供

 マイナンバーカードの取得や預金口座の登録申し込みなどで最大2万円分のポイントがもらえる国の事業「マイナポイント第2弾」が6月から始まっている。総務省は今年度中に「ほぼ全国民」の取得を目指し、全国の自治体にカードの交付率を競わせる中、自治体の交付率には60ポイント近い差が出ている。その理由を取材すると、カード普及を巡る問題点がみえてきた。

交付率アップの模範「都城方式」

 6月下旬の夜。東京都八王子市は東京工科大(同市)の学生寮入り口にカード申請の臨時出張窓口を開いた。学生は窓口で書類を書き、市職員に顔写真を撮影してもらえば、後日カードが寮に郵送される。

 通常の申請手続きは、交付申請書を入手し、本人確認のため役所で受け取るなどの手間がかかるが、出張窓口はワンストップで手続きできる。カードを申請した三浦颯太さん(21)は「身分証なら運転免許証を持っているけれど、近くで受け付けていたのでいい機会だと思った」と話した。別の男子学生(21)は「学生にとって2万円はうれしいが、出張窓口がなければ申し込んでいなかった」と語る。出張窓口の効果は大きいようだ。

 八王子市は平日に役所に行くのが難しい学生や働く世代向けに、市内の他大学や3歳児検診会場にも窓口を設置した。市民課の上川正高課長は「どうすれば効果的か職員同士で話し、工夫しながら交付率を上げようとしている」と話す。

 「マイナンバーカードが今年度末までに、ほぼ全国民に行き渡ることを目指し、その普及促進に取り組んでいる。マイナポイント第2弾がスタートし、政府目標の達成に向けて、さらなる申請件数の増加を図っていく必要があることは論をまたない。自治体との連携体制をより活用し、普及促進に向け加速したい」。寺田稔総務相は8月12日の就任記者会見で、マイナポイント第2弾を足がかりとした普及に意欲を示した。

 カード交付の開始から約6年が経過したが、8月3日時点の交付状況は5829万6510枚(交付率46・0%)にとどまっている。そこで総務省は今年度から、ホームページで自治体の交付率を最上位から最下位までを公開し始めた。さらに交付率が全国の平均を下回る自治体を「重点的フォローアップ対象団体」と位置づけ、普及の取り組みを「指導」している。

 総務省の号令を受け、出張窓口を設置する自治体が急増している。

 記事の後段ではカード普及に向けた自治体への「アメとムチ」、「マイナ保険証」など利便性向上の課題について詳報します

 このような出張窓口は「都城方式」とも呼ばれる。マイナンバー制度が始まった2015年ごろに宮崎県都城市が始めたためだ。同市の交付率は8割を超え、市区別…

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