「共同富裕」このまま看板倒れか 中国の格差、今や米国並み
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中国の習近平指導部が格差解消のために掲げる看板政策「共同富裕(ともに豊かになる)」が正念場を迎えている。農村部で貧困地域への支援を強化し「脱貧困」の達成は宣言したが、富の再配分を促す取り組みは停滞。格差解消に向けた道筋は描けておらず、このままでは「看板倒れ」に終わりかねない。
中国内陸部・湖南省の省都・長沙市から西に400キロ以上離れた山岳地帯。少数民族・ミャオ族1000人足らずが暮らす十八洞村の中心部に入ると、道路はひび割れもなくコンクリートや石できれいに舗装されていた。新築の住宅や商店が建ち並び、へき地の農村とは思えない光景だ。
十八洞村は中国の「脱貧困」のモデル地域。2013年には習国家主席(共産党総書記)が現地を訪問した。「習総書記が訪問した時、私の家の電化製品は5ワットの電球だけでした。 今、私は十分に食べ、十分に服を着て、幸せに暮らしています」。村民の石抜三さん(60)はこう言って笑顔を見せた。
習氏の訪問後、地元政府の支援を受けた同村ではキウイフルーツや蜂蜜、ミャオ族の伝統文化の刺しゅうなどの生産を強化。動画を生配信しながら商品を販売する「ライブコマース」なども活用して販路を拡大した結果、当時わずか1668元(約3万3000円)だった年間の平均所得は16年に8313元、20年には1万8369元と急増した。村には観光客の姿も目立つようになった。同村のトップである村共産党支部書記の施金通さんは「独居老人もいなくなり(都市部に出稼ぎに出ていた)100人以上の若者が戻ってきた」と現在の活況ぶりに自信を見せた。
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