連載

次代への遺言~私が見た戦争

民間人80万人を含む310万人が犠牲になり、アジア諸国にも甚大な被害を与えた日中戦争、第二次世界大戦の終結から75年。戦後生まれが全体の8割を超え、戦争の実相を知る体験者は減り続けています。壮絶な体験を語り継ぎ、新たな悲劇を防ぎたい。体験者の「次代への遺言」を映像で記録します。

連載一覧

次代への遺言~私が見た戦争

「寝ていた布団が燃えだした」 86歳が語り続ける八王子空襲

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷

 「寝ていた布団が、ぶすぶすと焦げるように燃えだした」。東京都八王子市に住む串田玲子さん(86)の脳裏には、77年たった今も戦争の記憶が生々しく残っている。1945年8月2日未明、米軍が焼夷(しょうい)弾約67万個を投下した「八王子空襲」。その直下に串田さんはいた。

 空襲前日、通っていた国民学校の校庭で、米軍がまいたビラをひろった。片方の面には八王子を含む地方都市の名前が並び、もう片面には軍事施設への爆撃の予告と、避難するよう呼びかける文章が日本語で書かれていた。「先生は回収していたけれど、(友人が)みんなポケットに入れたので、私も1枚ポケットに入れて母に見せた」。母は半信半疑だったという。まきや菓子などを売る商店を兼ねていた自宅は中心市街地にあり、真っ先に空襲の被害に遭うことは想像に難くなかった。そのため、前日の1日午後、中心街から少し離れた場所に借りていた家に、家族…

この記事は有料記事です。

残り586文字(全文976文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集