気候革命

バイオマス発電、岐路(その2止) 輸入頼み、燃料争奪戦

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倉庫に保管されている木質ペレット
倉庫に保管されている木質ペレット

 

大型バイオマス発電に逆風

 「燃料代がさらに高騰すると事業継続は難しくなる」。近畿地方で大型のバイオマス発電所を計画する会社の担当者は悲鳴を上げる。この会社は、アブラヤシの実から油を搾り取った後の殻(ヤシ殻)を燃料としてインドネシアから輸入し、2024年中の運転開始を目指している。だが、着工の見込みは立っていない。「燃料が輸入頼りだと、金融機関に投資リスクが高いと思われ、資金調達に苦労している」

 円安で輸入する燃料の調達費用はかさみ、原油価格の高騰でつり上がった輸送費も重くのしかかる。ヤシ殻は木材を粉砕して固めた「木質ペレット」より価格帯が低いこともあって需要が増え、価格が上がり続けている。担当者は「世界中の会社がインドネシアに買いに殺到している。畑(生産者)側から値段を上げてくれ、と言われてもおかしくない」と頭を抱える。

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