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史上初300点超に満面の笑み 羽生結弦さん“世界最高の自分”の原点

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男子フリーの演技後、キス・アンド・クライで自身の得点を確認した羽生結弦選手は両手で顔を覆い、何度も得点を見返して、喜びを爆発させた=長野市ビッグハットで2015年11月28日、宮間俊樹撮影
男子フリーの演技後、キス・アンド・クライで自身の得点を確認した羽生結弦選手は両手で顔を覆い、何度も得点を見返して、喜びを爆発させた=長野市ビッグハットで2015年11月28日、宮間俊樹撮影

 その表情は緊張した面持ちから、少し柔和で無に近い表情へと変わった。ショートプログラム(SP)直前、コーチと向かい合い、フェンスに両手をかけて一瞬しゃがみこむ。いつものルーティンをこなし、羽生結弦選手はリンク中央へ向かった。そして彼にしか見えない何かと対話するように柔らかい視線を虚空に向けた。

 「静」と「動」。初めて羽生選手を撮影した時の二つの異なる表情が今も脳裏に焼き付いている。SPで4回転ジャンプを2本入れる構成に挑み、最終的に世界初の300点超えを達成した2015年11月のグランプリ(GP)シリーズ第6戦NHK杯での顔だ。

 SPで同じく2本の4回転ジャンプを入れた金博洋選手(中国)が当時としては高得点の95・64点をたたき出す中、羽生選手は最終滑走で登場した。「プレッシャーに押しつぶされるかも」。その強さを知らなかった私は、少し心配しながら一挙手一投足を観察していた。

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