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立憲民主党の新しい執行部が発足した。参院選で敗北し、野党第1党の座も危ぶまれる中でのスタートである。
だが、そんな危機感が国民に伝わる布陣だろうか。巻き返しに打って出るどころか、守るのに精いっぱいになっている印象だ。
泉健太代表は、党内の一部から引責辞任を求める意見が出ていたものの続投した。役員人事では岡田克也氏を幹事長に起用するなどベテランが目立つ。党内をまとめることを優先したのだろう。
泉氏は昨秋の人事で、党役員12人中半数の6人を女性とし、ジェンダー平等の新しい政党の姿をアピールした。
ところが今回は、幹事長から代表代行に転じた西村智奈美氏を含めて女性は役員9人中2人だ。理念は早くも後退してしまった。
どんな野党を目指すのか、軸足も依然として定まらない。
与党との「対決型」か、政策立案を重視する「提案型」か。立憲は絶えず、揺れてきた。対決型は共産党との連携に前向きで、逆に提案型は連携に慎重になる。そんな路線争いにも直結してきた。
対決か、提案かの「二者択一」から、もう卒業する時ではないだろうか。
提案型を標ぼうしていた泉氏は政権への追及が甘くなったと党内外から批判された。
その揺り戻しだろう。今回、国対委員長に返り咲いた安住淳氏は、「対決型」になると表明している。こうして毎回、ふらついていては国民から信頼されない。
野党の役割はまず政府を厳しくチェックすることだ。同時に政権獲得を目指す以上、政策を立案し、国民に示していく作業は不可欠だ。対決も提案も必要なのだ。
当面の大きな焦点は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政界との関わりという問題だ。
しかし、党の要となる岡田氏は、教団関連の「世界日報」の取材に応じたことを既に明らかにしている。これでどこまで自民党を追及できるのか。さっそく、その姿勢が問われることになる。
立憲は旧民主党時代に設けた「ネクストキャビネット(次の内閣)」の仕組みを導入するという。今の政権に代わる国の将来像を常に提示していく必要がある。