平和構築の功労者か、社会主義の破壊者か ゴルバチョフ元ソ連大統領

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ソ連最後の指導者ゴルバチョフ氏=モスクワで2015年12月、真野森作撮影
ソ連最後の指導者ゴルバチョフ氏=モスクワで2015年12月、真野森作撮影

 20世紀最大の出来事は、その膨大な死傷者と破壊力から、2度にわたる「世界大戦」だったと指摘する人は多いと思う。しかし、それにも劣らず世界的に歴史に残る大きな事件だったのは「ソ連崩壊」なのかもしれない。そして、その立役者がゴルバチョフ元ソ連大統領(元ソ連共産党書記長)だった。

 多分、ゴルバチョフ氏を抜きにしてソ連崩壊は語れないし、ソ連崩壊とともに崩れた米ソ冷戦構造、社会主義国家体制、さらには社会主義思想そのものを総括することができないと思われる。

 なぜソ連は崩壊したのか? そもそもソ連という国家は何だったのか? そして、ゴルバチョフ氏は何を考えていたのか?――という疑問は、実は今もきちんとした説明がない。その理解は人によって、国によって、そしてその世界観によって違う。

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