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迷走プルトニウム

原発が生み出すプルトニウムの利用が難航しています。海外の最新事情を含め何が起きているのかを探ります。

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迷走プルトニウム

「裏技」編み出した電力業界 塩漬け解消の切り札となるのか

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報道陣に公開された九州電力玄海原発3号機原子炉容器へのMOX燃料取り付け作業=佐賀県玄海町で2009年10月16日午後8時半(代表撮影)
報道陣に公開された九州電力玄海原発3号機原子炉容器へのMOX燃料取り付け作業=佐賀県玄海町で2009年10月16日午後8時半(代表撮影)

 原発で再利用するために日本が使用済み核燃料から分離したプルトニウムは約46トン。このうち約22トン(核兵器約2700発相当)は英国に委託して分離したものの、現地の工場二つが相次いで閉鎖されたために燃料に加工されず、消費するめどが立たないでいる。この「英国問題」の対策として、電力各社でつくる「電気事業連合会」(電事連)が2022年2月、各社の協力で消費を進める「裏技」を打ち出した。しかしこれがプルトニウム対策の切り札になるのだろうか。

 プルトニウムを燃料にするには、ウランと混ぜて焼き固めて成形する必要がある。これを専門的には「ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料」(MOX燃料)と呼ぶ。

所有権交換でMOX燃料調達可能に

 電事連の「裏技」というのは、英国とフランスにあるプルトニウムの所有権を交換することによって少しでもプルトニウムを消費しようとするものだ。

 現状では、プルトニウムを通常の原発で燃やす「プルサーマル発電」ができるのは関西電力、九州電力、四国電力の3社に限られる。このうち九電と四電は自社用のプルトニウムを海外では英国にだけ持っているが、現地工場の閉鎖で新規に利用できなくなっている。

 このため、…

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