「宝くじ」で幸せになれる? 進む若者離れ、人気回復のカギは

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多くの人たちが列を作った年末ジャンボ宝くじ売り場=名古屋市中村区の宝くじ名駅前チャンスセンターで2018年11月21日午前9時46分、兵藤公治撮影
多くの人たちが列を作った年末ジャンボ宝くじ売り場=名古屋市中村区の宝くじ名駅前チャンスセンターで2018年11月21日午前9時46分、兵藤公治撮影

 突然ですが、「宝くじ」って買ってますか? 年末ジャンボやサマージャンボなどを購入し、高額当選した時のことを夢見ている人も多いのではないでしょうか。その「宝くじ」の売り上げが近年、減少傾向にあり、購入者の高齢化も進んでいるといいます。人気回復のカギはどこにあるのか。9月2日の「宝くじの日」に合わせ、世代・トレンド評論家の牛窪恵さんと考えました。【聞き手・後藤豪】

草食系世代「コスパに合わない」

 ――宝くじの購入者ですが、60代以上が占める割合が2004年の25%から19年は41%に増加したのに対して、30代以下の割合は04年の36%から19年には23%に減少したとの調査結果があります。購入者の高齢化をどうみますか。

 ◆宝くじというのは、確率論からいってもそんなに多くが大当たりするわけではないですし、当選を期待して裏切られることもあります。恋愛と似ています。どれだけ相手を研究して「好き」と伝えても、結果は読めず、前回会ったときは「良い感じだな」と思っても、次の回でフラれるかもしれない。不確実性が高いんです。

 私が「草食系世代」(現35~40歳)と呼ぶ人たちや、さらに若い世代は、経済が右肩上がりだった高度成長やバブルの時代を全く体感していません。だから、「一発大当たり」を狙うのではなく、堅実にある程度節約をしながら日々の生活をするという資質を元々持っています。

 そこに照らすと、宝くじはコスパ(コストパフォーマンス、費用対効果)が悪いんです。慎重な彼らは、ふだんから「期待しすぎない」ことを心掛けていますから、大当たりへの期待感もさほど強くはないでしょう。

高齢世代「夢を買う」

 ――コスパでみられるとは、宝くじにとっても厳しい時代ですね。

 ◆昔は「どれだけ金もうけするか」「一山当てる」といったことが悪い印象ではなく、むしろ「夢を買う」というイメージに近かった。特に年末ジャンボ宝くじは、夢が見られて、かつ1年間の自分へのご褒美のようなものとして、毎年買う人が多くいました。「へそくりで何とか夢を買って、タンスの奥に寝かせて発表日にこっそり見る」といった光景は、決してネガティブなイメージではないですよね。特に60代以上の世代の人たちは、ジャンボ宝くじの売り場に並ぶこと自体が一大イベントなのだと思います。

 でも、いまは「『モノ消費』から『コト消費』の時代へ」と言われます。私は最近、「意味消費」と呼んでいるのですが、30代以下の人たちは「なぜ買うのか」の「意味」を考えてお金を使います。ワクワク感がない売り場には意味を感じず、わざわざ足を運ばないのです。

 以前、草食系世代の男性100人にインタビューを行った時、何人もから「ビールって飲んで何になるんですか?」と聞かれました。…

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