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迷走プルトニウム

原発が生み出すプルトニウムの利用が難航しています。海外の最新事情を含め何が起きているのかを探ります。

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迷走プルトニウム

燃料の不良品多発で脱プルサーマル化 仏が直面する「負のサイクル」

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フランス北西部ラアーグのラアーグ再処理工場=2021年2月17日午後0時半ごろ、久野華代撮影
フランス北西部ラアーグのラアーグ再処理工場=2021年2月17日午後0時半ごろ、久野華代撮影

 プルトニウムを原発で再利用するプルサーマル発電用の燃料を製造するフランス南東部にあるメロックス工場で不良品が多発している影響で、同国の複数の原子炉でプルサーマルを中止する事態になっていることが、フランス原子力安全規制当局(ASN)の報告で分かった。日本が手本にするフランスの「核燃料サイクル」について、ASNは「このままでは全体に重大な影響を及ぼしかねない」と懸念を表明している。

 プルトニウムは使用済みウラン燃料に含まれている。フランスでは北西部にあるラアーグ再処理工場で使用済みウラン燃料を化学的に処理してプルトニウムを分離する。

 メロックス工場ではプルトニウムとウランの粉末を混合して粒状に焼き固めた「MOX燃料」を製造している。なるべく均一に混合する必要があるが、少なくとも2015年半ば以降の製造分から、プルトニウムの大きな塊ができてしまう問題が指摘されている。

 核反応が異常に高まる可能性があるといい、同工場の報告書によると、MOX燃料集合体の生産量は15年に295体だったが、21年には106体と3分の1に減っている。

 ASNが22年5月に出した報告書によると、21年も期待通りの品質と量を製造するのが困難になった。このため、仕様を満たしたMOX燃料が不足し、フランス電力(EDF)がプルサーマルを実施していた90万キロワット級の原子炉の数基は、MOX燃料を使用しない「脱MOX化」されつつあるとしている。

行き場失う使用済み燃料

 このことがフランスの核燃料サイクル全体に影響を及ぼしている。

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