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安倍元首相銃撃事件を機に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に改めて注目が集まっています。

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旧統一教会と自民党の「関係」 30年の放置、繰り返すな ジャーナリスト・有田芳生さん×与良正男・専門編集委員

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ジャーナリストの有田芳生さん=本社で2022年8月29日、宮本明登撮影
ジャーナリストの有田芳生さん=本社で2022年8月29日、宮本明登撮影

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家との「関係」が取り沙汰されている。かつて社会問題になりながら、メディアが次第に取り上げなくなった旧統一教会。「空白の30年」を巡り、元参院議員で同教団の問題に詳しいジャーナリストの有田芳生さんと、毎日新聞の与良正男・専門編集委員が語り合った。【構成・金志尚】

 与良 安倍晋三元首相に対する銃撃事件を機に、教団と自民党議員との関係が明るみに出ています。そこに歴史的な因果を感じます。

 有田 おっしゃる通りです。旧統一教会は自民党の中でも特に清和会(現安倍派)と深いつながりがあります。さかのぼれば、その始まりは岸信介元首相の時代です。「反共」を媒介に両者は接近し、その関係は娘婿の安倍晋太郎元外相、そしてその息子である晋三さんへと引き継がれていった。知る人ぞ知る話が、事件をきっかけに一気に表に出たわけです。

 与良 教団と政治家の関係は当然、メディアとして追及していかないといけません。ただ私自身は、これまで旧統一教会の問題を報じてこなかったと反省しています。

 有田 霊感商法などが社会問題になっていた頃も、大きく取り上げていたのは雑誌やテレビが中心でした。その後、95年にオウム真理教の地下鉄サリン事件が起きると社会の関心は完全にオウムに移り、僕も週刊誌に統一教会関連の企画を出しても通らなくなった。追及するメディアがなくなった結果、「空白の30年」が生まれたわけです。今回、同じてつを踏むようなことがあってはなりません。

 与良 有田さんは、教団に対する警察の摘発が「政治の力」でストップした、とテレビ番組で指摘していました。これが事実なら、民主主義をゆがめるとんでもないことです。

 有田 話には前段があります。一連のオウム事件が裁判の局面に移った95年秋のことです。警察庁と警視庁の幹部に呼ばれ、統一教会についてレクチャーしてほしいと頼まれたんです。当日、全国から集まった目の鋭い男性たちの前で教団の歴史や霊感商法の手口などを話しました。終了後、両庁の幹部に聞くと、「オウム事件はほぼ決着がついた。次は統一教会の摘発を準備している」と言うのです。

 与良 ところが、その後も摘発は行われませんでした。

 有田 10年たった2005年、警視庁公安部の幹部2人と居酒屋で飲む機会がありました。「統一教会をやると言っていたけど、何もなかったじゃないですか」と聞いたら、「政治の力だ」と。それ以上は言わないんですが、警察に太いパイプを持つ政治家が動いたとしか考えられませんでした。実際、07年の教団の内部資料を見ると、「対策費」という名目で毎月1億円の予算がついている。その一部は「警察に強い国会議員の対策」と関係者から聞きました。おそらく領収書のあるようなお金ではないので、どこへどう流れたかは確認しようがない。ですが、こうした資料から推測すると、95年以降、警察の動きを察知した教団が政界への働きかけを図っていた可能性が浮かんできます。

 与良 教団が政権与党と関係を持とうとするのは、やはり身を守るためなのでしょうか。

 有田 旧統一教会は韓国発祥ですが、最大の資金源は日本です。内部資料を見ると、07年段階で毎月15億円近いお金が日本から韓国、北朝鮮、米国に流れていました。…

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【旧統一教会】

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