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モーター大手の日本電産でまたもや後継者選びが白紙に戻った。ハードワークで知られ、積極的な企業の合併・買収(M&A)を手掛けた創業者で会長兼最高経営責任者(CEO)の永守重信氏(78)は、一代で同社を日本有数の企業に育て上げた“カリスマ経営者”だ。同様にソフトバンクグループやユニクロを展開する「ファーストリテイリング」も後継候補がなかなか見つからない。企業経営に詳しい専門家に理由を聞いた。
日本電産は2日、副会長の小部博志氏(73)が社長兼最高執行責任者(COO)に就任すると発表した。日産自動車出身で社長兼COOの関潤氏(61)は業績悪化の責任を取り、2日付で社長を辞任し、退社する。永守氏は記者会見で「外部にもっと良い人がいたというのは錯覚だった」と述べ、2024年4月に日本電産生え抜きの人材から新社長を登用する考えを示した。
関氏は日産で副COOを務め、永守氏に招かれて20年1月に日本電産に入社。同年4月に社長、21年6月にCEOとなった。CEO交代の記者会見で永守氏は「即断即決やトップダウン能力、人格。どれをとっても後継者にふさわしい」と関氏を絶賛したが、わずか10カ月後の22年4月には永守氏がCEOに復帰した。
日本電産では永守氏の後継を巡り、これまでも外部人材を招いてきたが定着しなかった。13年に日産子会社のカルソニックカンセイ(現マレリ)社長だった呉文精氏を社長含みで副社長に迎えたが、15年に退社した。シャープの社長、会長を務め、14年に日本電産副会長に就いた片山幹雄氏も後継候補と目されたが、21年に副社長を退任している。18年には日産出身の吉本浩之氏を社長に据えたが、20年に関氏に交代し、副社長に降格。昨年退任した。
創業者は「せっかち」
後継候補が現れては消えていく原因について…
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