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国葬強行、裏に改憲 「闘う法学者」内田博文さん 「緊急事態条項を先取り」

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ポーズをとる内田博文・九州大名誉教授=東京都千代田区で2022年8月12日、小出洋平撮影
ポーズをとる内田博文・九州大名誉教授=東京都千代田区で2022年8月12日、小出洋平撮影

 岸田文雄政権は安倍晋三元首相の国葬(27日)に国費2億5000万円を支出することを閣議で決定した。国民世論は割れており、首相は国会の閉会中審査に臨む考えである。「命に序列をつける国葬は憲法の精神に反する逸脱だ」と批判する内田博文・九州大名誉教授(75)に、論点を整理してもらった。

 内田さんは昨夏、国の隔離政策が人権を侵した歴史を伝える「国立ハンセン病資料館」(東京都東村山市)の新館長に就いた。1990年代に出あったハンセン病問題で、90年に及んだ国の隔離政策が患者らを苦しめた歴史に一人の法学者として心を痛め、国の不作為の検証が国の過ちを正す「出発点」になると考えるに至った。2005年にはハンセン病問題検証会議副座長として最終報告書をまとめ、元患者と家族の「人間回復」を歴史検証で後押しした。内田さんは、時代の行く末に警鐘を鳴らす「闘う法学者」なのだ。

 安倍政治が検証されないまま、安倍氏をまつりあげる政治イベントを行うことは許されない、と厳しい目で私を見据えながら、内田さんはこう続けるのである。「単に賛否を論じるだけでは不十分。現政権の意図を読み解く必要があります。国葬の決行は、岸田首相による『安倍体制』の継承宣言に他ならないからです」。熱を帯びた解説はさらに続く。「いわば安倍氏の神格化を進め、安倍氏悲願の憲法改正を実現させることで、与党内での自身の地位を確固たるものとする。岸田首相はそのために国葬を政治利用しているのではないでしょうか」

 とはいえ、である。岸田首相の試みは「今のところ失敗している」。…

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