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8月に開催された卓球Tリーグの個人戦・ノジマカップは、2024年パリ・オリンピックのシングルス代表選考会の一つとして新設された。
男子は張本智和選手(琉球)、女子は早田ひな選手(日本生命)が優勝した大会で、キラリと光る活躍を見せた選手がいた。ともに18歳で3位に入った吉山僚一選手(岡山)と木原美悠選手(神奈川)だ。Tリーグをステップにパリ五輪での飛躍も期待させる。
吉山「攻撃的な卓球を仕掛けていける」
吉山選手は1回戦で及川瑞基選手(東京)、準々決勝で宇田幸矢選手(明大)と全日本選手権優勝経験者を連破。「『一戦一戦頑張ろう』という気持ちだったが、強い相手に勝つことで自信になった」。得意のバックハンドレシーブ「チキータ」を軸とした試合運びに加え、コースを厳しく突くサーブにも成長の跡を見せた。
シングルスで19年の全国中学校大会、20年の全日本選手権ジュニアの部で優勝するなど実績を重ねたが、愛知・愛工大名電高に進学後は、シニアの壁にはね返された。20~21年シーズンから参戦するTリーグでは、シングルスで勝利がない。
それでもシニア選手にもまれた経験は、着実に糧となった。今年の全日本選手権はジュニアの部で優勝し、一般の部でも8強入り。「(レベルの高い相手でも)攻撃的な卓球を仕掛けていけるようになった」と語る。
今後については「28年ロサンゼルス五輪出場が現実的な目標」としつつ、ノジマカップで五輪代表選考ポイント(15点)を獲得したことで「まだ間に合うのであれば……」と希望をつなぐ。まずTリーグ・シングルス初勝利で弾みをつけたい。
木原「『引き出し』を多くしたい」
木原選手は女子の五輪代表選考会で、いずれも00年生まれで「黄金世代」と評される早田、伊藤美誠(スターツ)、平野美宇(神奈川)の3選手とポイントを争っている。
代表選考会は3月のライオンカップ・トップ32でも3位と地力の高さを証明した。それでも「もうちょっと上の位置で安定できるようになりたい」と気を引き締めた。
これまでノジマカップを含む2回の代表選考会では、ともに準決勝で早田選手が立ちはだかった。ノジマカップは0―4で完敗。「レシーブがうまくいかなかったし、(相手の)サーブも『嫌だな』と思うコースに攻められた」。一度リズムを崩すと修正できず、早田選手にペースを握られた。
その直後にあった3位決定戦。21年世界選手権代表の芝田沙季選手(日本ペイント)に対し、課題のレシーブが安定して今度は4―0で快勝した。「苦しい場面でも他の戦術を探し出せるような『引き出し』を多くしたい」と向上心は尽きない。
所属する神奈川には今季、平野選手が加入。石川…
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