展覧会 生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎 響き合う人生体感=評・平林由梨

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青木繁(右)と坂本繁二郎それぞれの自画像。手前は、坂本による青木の碑を建設した際の辞=東京都中央区のアーティゾン美術館で2022年9月1日、平林由梨撮影
青木繁(右)と坂本繁二郎それぞれの自画像。手前は、坂本による青木の碑を建設した際の辞=東京都中央区のアーティゾン美術館で2022年9月1日、平林由梨撮影

 幼なじみの二人がたどった画業を旅になぞらえた。1882年、現在の福岡県久留米市に生まれた青木繁(1911年没)と坂本繁二郎(69年没)、二人をめぐる展覧会は66年ぶりになる。これまでの評で二人は、以下のように対比されることが多かった。いわく、動、天才、華やか、早熟、果敢な青木。静、鈍才、地味、晩成、思慮深い坂本。本展は、こうした図式化された語り口からいったん離れ、出会いから別れまで、交差するエピソードをさらっていく。

 久留米では同じ師につき絵を学んだ。先に青木が東京美術学校に進み、その上達ぶりに刺激された坂本が後を追って上京した。当時のデッサンや写生旅行でのスケッチの他、神話や古典に着想した青木の「海の幸」「わだつみのいろこの宮」、農村の人々を描いた坂本の「大島の一部」「北茂安村の一部」といった代表作が続く。近代国家としてのあり方が模索された明治時代、新国家体制に資するような主題を扱った青木と、身近な生活に取…

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