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安倍元首相銃撃事件を機に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に改めて注目が集まっています。

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旧統一教会元幹部が実名証言 韓国への送金「推計年100億円」

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旧統一教会元幹部の桜井正上氏が、教団の課題をまとめて毎日新聞に寄せた文書=東京都千代田区で2022年9月9日撮影
旧統一教会元幹部の桜井正上氏が、教団の課題をまとめて毎日新聞に寄せた文書=東京都千代田区で2022年9月9日撮影

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の本部に約20年間在籍し、2017年に教団を離れるまで家庭教育局の副局長だった桜井正上(まさうえ)氏(48)が毎日新聞の取材に応じ、教団が掲げた献金の目標が年間300億円近い規模だったなどと証言した。元教団幹部が実名で内情を明かすのは異例。「教団の手法は明らかに社会的モラルに反し、献金の強要は法令順守を徹底したとする09年以降も続いていた」と語り、教団の姿勢を批判した。

 桜井氏は、父が1995~96年に統一教会の第5代会長を務めた2世信者。大学卒業後の98年から本部に勤務し、2世信者の支援や教育に長く携わった。17年、運営方針に異を唱える文書を公表して、教団を離れた。「今の教団には体質を改める兆しがない。内情を知る者として、悲劇が繰り返されないように訴えたい」と取材に応じた。

過剰な献金「家庭を壊した」

 桜井氏は、信者の子である2世と向き合う中で、親の献金によって家計が崩壊し、生活や進学に支障をきたすという相談を多く受けてきた。親が自分名義のクレジットカードで借金をした▽親が親族から借金を重ね顔向けできない▽親の借金を肩代わりしている――といった悩みが多かった。

 やがて、2世を抱えた親世代からの相談も受けるようになった。大学生の息子が学費のために自分で稼いだアルバイト代まで献金したというある教会のトップは「親としてやってはならないことをした」と話し、献金のノルマに追われる現状を嘆いたという。

 「献金によって救われる」という教団内の教えは「献金摂理」と呼ばれていた。信者からは「家庭の問題や信仰上の相談をすると、すぐに献金を求められる」という悩みも聞いた。同じ理由で「地元の教会では相談ができない」と地方から上京してくる信者もいた。

 旧統一教会の田中富広会長は7月の記者会見で、不安をあおり高額な印鑑などを買わせたとして信者が検挙された09年以降、「霊感商法」と批判された物販活動に対する改善指導を徹底したと主張した。しかし桜井氏は「教団の体質は変わらなかった」と振り返る。

 「外部への物販ではなく、内部(信者)への献金強要に変えただけ。『家庭を大事に』という教理を掲げながら、皮肉にも信者の家庭は献金によって壊れていた」と打ち明ける。

 こうした認識は、内部で広く共有されてもいたという。「無理な献金ノルマは内部の誰もが知っていた。ただ、献金を問題視することは不信心とされ、口にしづらい雰囲気もあった」と振り返った。

ノルマ「最後は信者個人に」

 桜井氏によると、献金は、「十一条献金」と言われる信者の収入の1割を納める定期的なものと、…

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