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安倍元首相銃撃事件を機に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に改めて注目が集まっています。

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「旧統一教会」改憲足かせに 議論進まず「やるやる詐欺」?

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記者会見で旧統一教会問題について説明する岸田文雄首相の映像を流す街頭テレビ=東京都千代田区で2022年8月31日午前11時7分、吉田航太撮影
記者会見で旧統一教会問題について説明する岸田文雄首相の映像を流す街頭テレビ=東京都千代田区で2022年8月31日午前11時7分、吉田航太撮影

 7月の参院選で与党は大勝し、憲法改正に前向きな自民、公明など「改憲4党」で、改憲発議に必要な3分の2の議席を維持した。凶弾に倒れた安倍晋三元首相の悲願として改正が現実味を増すと思いきや、皮肉にも足かせになりそうなのが、元首相と関係が深く、改憲を掲げる「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の問題だ。

 「大学時代の岸田文雄首相は、自分から発言する目立つタイプではなかったと、当時所属したゼミの担当教授から聞いたことがあります」。そう話すのは、岸田首相の母校、早稲田大の教授(憲法)、水島朝穂さん(69)である。やはり、昔も今も特技は「聞く力」だったのか。

 検討ばかりで実行に移さない「検討使」とやゆされる岸田首相。水島さんは、先頭に立って改憲を目指すというのは必ずしも本意ではないのではないかと推察する。「岸田さんは、改憲を最重要課題と一貫して主張しますが、これは改憲に前のめりな最大派閥の安倍派や、自民党の支持基盤である保守層に配慮した発言でしょう。3分の2の議席があったとしても、実際に発議するかどうかは別問題です」

 そんな見方もある首相だが、珍しく言葉が明瞭なのが憲法改正である。参院選から一夜明けた7月11日の記者会見では、「安倍元首相の思いを受け継ぎ、果たせなかった難題に取り組んでいく。できる限り早く発議に至る取り組みを進める」と、まるで近いうちにも改憲が実現しそうな勢いなのだ。

 政治ジャーナリストの角谷浩一さん(61)が解説する。「側近議員によれば、首相が改憲に意欲があるのは間違いないですね。特に、大規模災害などが起きた際に国会議員の任期延長を可能にする緊急事態条項に関心があるようです」

 それを聞いて少し意外に思ったのは、岸田首相は今も宏池会の会長なのに、なぜ前向きなのかということだ。宏池会といえば、自民党の派閥の中でもハト派の代表格。前会長の古賀誠氏を筆頭に、改憲に慎重なはず、と思っていた。角谷さんは「宏池会はリベラルな穏健派とは言えるかもしれませんが、もはや護憲派ではありません。安倍政権誕生以降、自民党全体が右傾化しているのは事実です」と付け加える。

 岸田首相の心中がいかばかりかは分からないが、とはいえ、今後3年間、衆院が解散しない限り大型の国政選挙がないとされる「黄金の3年」を手に入れたのは事実である。憲法改正のような、国論を分かつ難しい政策課題にじっくりと取り組む好機とは言えるだろう。

 だが、ここに来て安倍元首相銃撃事件で急浮上したのが、…

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