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安倍晋三元首相銃撃

2022年7月8日、演説中の安倍元首相が銃撃され、死亡しました。その後の「国葬」にも疑念が…。

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作家・麻生幾さん、安倍元首相死亡事件を語る 警護失敗、警察の十字架 「銃撃」想定せずマニュアル不徹底

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作家の麻生幾さん=東京都内で2022年9月2日、吉田航太撮影
作家の麻生幾さん=東京都内で2022年9月2日、吉田航太撮影

 安倍晋三元首相の銃撃事件では、警護の不備が指摘され、警察庁長官が事実上の引責辞職を表明するなど異例の事態となった。国際テロなどを扱った警察小説で知られる作家の麻生幾さんは、事件の背景には日本警察が放置してきた大きな問題があると指摘する。では、いかに立て直すべきなのだろう。

 麻生さんは国際テロリストと情報戦を繰り広げる外事警察や、銃乱射事件を制圧する警視庁特殊急襲部隊(SAT)などをテーマに小説を執筆してきた人だ。綿密な取材に基づくリアルな情景描写で、読者を作品世界に誘い込む。根底には、光が当たらなくとも命を懸けて任務にあたる警察官への畏敬(いけい)の念がある。

 麻生さんがまず話したのは、複数の警察幹部が漏らした悲痛な言葉の数々。「言い訳ができない明らかな大失態」「正直言って、銃で襲われる事態は想定していなかった」。物を投げつける、殴る、刃物で襲う。警護対象者に対する違法行為に関し、そうした概念しかなかったといい、関係者が受けた衝撃の大きさが推察される。警察庁が先月末にまとめた報告書でも「銃器等を使用して襲撃する事案を具体的に考慮しておらず、警戒の対象を…

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【安倍晋三元首相銃撃】

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