国宝の扉絵、透明性顔料で元の質感に 平等院鳳凰堂で修復

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透明性のある顔料を示し「上品下生図」の扉絵の修復について説明する東京芸術大大学院の荒井経教授(右)=京都府宇治市宇治蓮華の平等院で2022年9月12日午前10時17分、鈴木健太郎撮影
透明性のある顔料を示し「上品下生図」の扉絵の修復について説明する東京芸術大大学院の荒井経教授(右)=京都府宇治市宇治蓮華の平等院で2022年9月12日午前10時17分、鈴木健太郎撮影

 世界遺産・平等院(京都府宇治市)の国宝・鳳凰(ほうおう)堂の扉絵について、保存・修復を担う東京芸術大の研究者が12日、自然な色感で補修する新たな技法を発表した。透明性のある顔料を使うことで元の質感も生かし、周囲と調和した経年変化が期待できる。他の文化財の修復に応用できる成果という。【鈴木健太郎】

 鳳凰堂の四方には、阿弥陀如来が人間を救う「九品来迎図(くほんらいこうず)」が描かれた。建立時の扉絵(国宝)は保存のため1967年に取り外され、京都画壇の画家らが模写した扉が設置された。一方、2017年から鳳凰堂の本格的な修復が始まり、東面の「上品下生図(じょうぼんげ…

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