静岡県とJR東海、リニアの溝あらわ 2年3カ月ぶりトップ会談

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早期着工を求めた金子慎・JR東海社長=県庁で2022年9月13日午後2時25分、代表撮影
早期着工を求めた金子慎・JR東海社長=県庁で2022年9月13日午後2時25分、代表撮影

 リニア中央新幹線静岡工区を巡り、静岡県庁で13日に開かれた川勝平太知事と金子慎・JR東海社長との約2年3カ月ぶりのトップ会談は、環境問題に対する県とJRの認識の差を浮き彫りにした。トンネルを建設する南アルプスの環境保全に取り組むことを前提に静岡工区着工を迫った金子社長に対して、川勝知事は「早期着工のためにやるべき手続き」として国土交通省の有識者会議などで環境問題を検証することを優先、着工に応じなかった。【山田英之】

 静岡工区は課題が山積している。リニアのトンネルは静岡市北部の大井川の下に建設される。希少な動植物が多数存在する南アルプス国立公園の特別保護地区を通過する。水道や農業・工業・発電に利用される大井川の水は「命の水」と呼ばれる。流域住民は、工事による流量減少や水質悪化を懸念する。

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