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データ示してコロナ対策議論を 「日常」取り戻した米国からの提言

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多くの人でにぎわう米国のファーマーズマーケット。屋外ではほとんどの人がマスクを外し、日常生活を送っている=米バージニア州で2022年9月10日、林奈緒美撮影
多くの人でにぎわう米国のファーマーズマーケット。屋外ではほとんどの人がマスクを外し、日常生活を送っている=米バージニア州で2022年9月10日、林奈緒美撮影

 新型コロナウイルスに感染した際の療養期間の短縮に踏み切るなど、日本は「コロナとの共存」を本格的に目指し始めた。先を進む米国では、コロナ前に戻ったと感じる人が増え、コロナはもはや関心事でなくなりつつあるという。そこで、ボストン在住の大西睦子医師に聞いた。日本の対策はどう見えますか?【聞き手・寺町六花】

 ――日本は9月上旬、療養期間(有症状の場合)を10日間から7日間に短縮しました。米国では、ワクチンや感染で国民の多くが免疫を獲得しているとして、いち早く制限緩和を進めてきました。

 ◆米疾病対策センター(CDC)は昨年12月、療養期間を10日間から5日間に短縮すると発表しました。当時、山火事が燃え広がるような勢いで、感染者が増え始めていました。10日間も隔離していては、社会が回らなくなってしまったのです。バスの運転手もいなくなり、働けずに家賃が払えなくて家を出て行かなくてはいけない人もいました。そうしたことから、うつや自殺企図などメンタルヘルスの問題も深刻になりました。

 オミクロン株が拡大する中での規制緩和には「急に言われても」と不信感を持つ人も多くいました。それでも先にオミクロン株が流行していた南アフリカの経過を見ると、重症化も少なく、デルタ株などの波とは違うのではないかという予測がありました。思い切った決断だったと思いますが、米国では多数の検査をしていましたし、重症化すれば救急病床をすぐ増やせる対応ができていました。

 ――今はどうリスクを受け止めていますか。

 ◆感染対策について「自主的に個人でやるもの」という雰囲気が増してきました。私が住んでいるボストンでは抗原検査キットが無料で手に入るので、家にあふれています。ワクチンも無料です。

 「行政はここまでやったから、あとは個人で」ということでしょう。CDCが8月に出したガイドラインでは、自分自身のリスクをよく理解して、必要に応じて自分や他人を守る対策を取るよう求めています。

 イベントも制限なく開催されていますが、自身がハイリスクと思う人は密集する所に行きません。皆が同じことをする必要はありません。陽性なら隔離をしますが、コロナはどこからもなくならないのだから、共存しましょうという考えが大勢です。

 ――日本のコロナとの付き合い方はどう見えますか。

 ◆日本は初期に感染者が少なかった影響もあると思いますが、ウイルスが外から来る「異物」という感覚がとても強い。まだ日本でワクチン接種が進んでいなかった昨年5月、私はワクチン接種を2回受けて帰国しました。陰性証明も提出しましたが、…

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