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「潔白」を主張してからわずか9日。東京オリンピック・パラリンピックを巡る汚職事件は14日、出版大手「KADOKAWA」の会長、角川歴彦(つぐひこ)容疑者(79)が東京地検特捜部に逮捕される事態に発展した。出版界を変革してきた希代の経営者と大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)=受託収賄容疑で再逮捕=を結ぶ線に不正はあったのか。関係者に驚きが広がった。
「(捜査は)本当に思いがけないこと。戸惑っている」「今まで心卑しく経営したことはない」。角川会長は5日に報道各社の取材に応じ、元理事側に賄賂を渡したという疑惑を完全否定した。だが、特捜部が14日に示した逮捕容疑には「元理事にスポンサーに選定してもらいたいと請託し、賄賂を供与した」と正反対の内容が含まれていた。
角川会長は、戦後間もない1945年11月にKADOKAWAの前身「角川書店」を創業した角川源義(げんよし)氏の次男。66年に同社に入社し、情報誌の「ザテレビジョン」(82年)や「東京ウォーカー」(90年)の創刊に携わり、92年に副社長に就任。社長だった兄との対立から一度は経営を離れたが、翌93年に復帰し、50歳で社長に就いた。日本雑誌協会の理事長も務めたことがある出版界の「大御所」だ。
趣味は将棋で、自らの長所を「将棋がくれた構想力」とする。出版不況が叫ばれる中、デジタルコンテンツやゲーム事業にも力を入れ、2014年に「ニコニコ動画」で知られるインターネット動画配信大手「ドワンゴ」と経営統合。「総合メディア企業」への発展に向けて会社をけん引した。代表権がない会長に退いた近年も、「絶対的な影響力がある」と社内外から見られていた。
特捜部は“KADOKAWAルート”の捜査当初から、…
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