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砂川闘争の展示縮小へ 史実の共有、後退させるな=木村健二(東京地方部)

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砂川闘争ゆかりの品々や写真パネルを展示している「砂川学習館」=東京都立川市で4月4日、木村健二撮影
砂川闘争ゆかりの品々や写真パネルを展示している「砂川学習館」=東京都立川市で4月4日、木村健二撮影

 戦後史の重要な一コマが、武蔵野の大地に埋もれかかっている。1950~70年代に旧米軍立川基地の拡張計画を住民らが阻んだ「砂川闘争」について、東京都立川市は市立施設の資料展示を縮小しようとしている。だが、それでいいのだろうか。充実した公的な学びの場が地域にあってこそ、史実を教訓として受け継いでいけるのではないか。

 砂川闘争をおさらいしておきたい。立川基地の北側に位置した旧砂川町(63年に立川市と合併)で55年、米軍機のジェット化などに対応するため、農地を収用して滑走路を延長する計画が持ち上がった。地元住民は基地拡張反対同盟を結成。「土地に杭(くい)は打たれても 心に杭は打たれない」をスローガンに、学生や労働者も支援に駆け付け、警官隊などと衝突を繰り返した。

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