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建築現場でアスベスト(石綿)を吸って中皮腫で死亡した父に関する記録を労働基準監督署が廃棄したのは違法だとして、兵庫県三木市の男性(47)が15日、国に約300万円の損害賠償を求め神戸地裁に提訴した。弁護団によると、石綿の記録廃棄を巡る訴訟は初めてとみられる。
訴状によると、同市で鉄工所を経営していた父は建築現場での溶接作業中、他の作業者が切断した建材などから石綿を吸引。2003年、中皮腫を発症し54歳で死亡した。長男の男性は08年、加古川労基署に労災補償を請求し、一時金の支払い決定を受けた。
発症までの潜伏期間が長く「静かな時限爆弾」とも呼ばれる石綿の性質を考慮して国は05年、関連記録の保存を労働局に通達。だが、加古川労基署は19年、男性に記録の一部を誤廃棄したとする謝罪文を送った。記録には父が吸引した石綿の建材メーカーに関する情報も含まれていたという。
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