養蚕農家、育てた蚕を食用で出荷 「命ある蚕を無駄にしたくない」

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電動式蚕棚で蚕の様子に目を配りながら世話をする芦沢洋平さん=山梨県富士川町で2022年6月10日午後1時34分、山本悟撮影
電動式蚕棚で蚕の様子に目を配りながら世話をする芦沢洋平さん=山梨県富士川町で2022年6月10日午後1時34分、山本悟撮影

 かつて養蚕王国として知られた山梨県の養蚕農家が、昆虫食ブームを背景に、食用として蚕のサナギの出荷に取り組んでいる。蚕の繭は生糸の他に化粧品、医療用縫合糸などの原材料としても活用される一方、中のサナギは処分せざるを得ず、農家では「命ある蚕を無駄にするのは忍びない」と役立てる方法を模索していた。昨年、昆虫食の専門業者からみそ漬けとして販売されると人気を呼び、今年4月からはカレーとしての販売も始まっている。

 青々とした桑の葉の上で動かなかった蚕が突然、頭を持ち上げ動き出した。白色で黒い斑点模様の体長は約4センチ。「お目覚めだ。かわいいでしょう。蚕も寝るんですよ」。日本三大急流の富士川を見下ろす富士川町の丘陵部にある養蚕場で、電動式の蚕棚をのぞき込んでいた芦沢洋平さん(35)は蚕を見つめながら説明してくれた。蚕の幼虫はサナギになるまで脱皮を繰り返すが、脱皮前の準備のため睡眠を取るように体を休めるのだと…

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