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安倍晋三元首相銃撃

2022年7月8日、演説中の安倍元首相が銃撃され、死亡しました。その後の「国葬」にも疑念が…。

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井上寿一の近代史の扉

英国の弔意と民主主義に学ぶ 国葬の意義

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 イギリスの女王エリザベス2世が8日に死去した。世界中が悲しんだと言っても過言ではないにもかかわらず、この訃報は日本政治のなかに思いがけない意味をもたらした。安倍晋三元首相の国葬をめぐる意見対立と結びついて、その反対論が勢いを増すことになったからである。

 同じ日、日本では国会の閉会中審査において岸田文雄首相が国葬を実施する正当性を説明している。その説明は従来と変わらず、多くの国民の納得を得るには不十分だった。このままでは国民の過半数が疑問を持ち、あるいは反対するなかでの国葬になりかねない。

 弔問外交への期待も失われようとしている。弔問外交とは何か。2国間の外交が緊張している。首脳会談も開けない。このような2国間関係においても弔問となれば、緊張関係を一時的に棚上げして、接触することができる。弔問外交は外交関係を打開する直接的なきっかけになり得る。

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【安倍晋三元首相銃撃】

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