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本村凌二・評 『七十人訳ギリシア語聖書 詩篇』=秦剛平・訳

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 (青土社・8580円)

困窮と艱難「何か」を失った者たちの叫び声

 世界史のなかで、ユダヤ人はなんとも特異である。古代にはギリシア人もローマ人もいたが、現代の彼らに古代人の面影を探しても、ほとんど形跡はないのではないだろうか。ところが、ユダヤ人となると、昔も今もそれほど変わらないのではないかという印象がある。その最大の原因が、彼らの信仰が変わっていないというところにある。

 事の真偽は問わないことにして、一貫していると言えば聞こえはいいが、どこか頑(かたく)なにしか思えないところがある。その頑なさは周囲の人々からすれば奇異ですらあった。神々のあふれた世界のなかにあって、唯一の神をあがめる心の態度がなぜ生まれるのであろうか。

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