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わたしのふるさと便

あまり知られていない観光スポットや地元で人気の食べ物を、現地で勤務する支局長が紹介。47都道府県を巡ります。

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わたしの穴場 岡山県 「高梁市・備中松山城」 天空ぶらり、猫城主

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備中松山城と猫城主「さんじゅーろー」=岡山県高梁市で8月、相原洋撮影 拡大
備中松山城と猫城主「さんじゅーろー」=岡山県高梁市で8月、相原洋撮影

 かなりきつい上りだ。山腹までは車やバスで行けるが、残りの山道約700メートルは自分の足が頼り。目的地までの高低差は約100メートル。8月下旬、タオルで汗を拭い、立ち止まって息を整えながら、約20分かけて「登城」した。

 日本で最も高所に天守が現存する山城「備中松山城」(岡山県高梁(たかはし)市、標高430メートル)。城見学の他にも目当てがあった。城の主に会うこと。天守前の管理事務所に暮らしているという。暑すぎて外に出て来ない日もあるようだが、この日は曇り空だったことで、ご機嫌だった。「猫城主さんじゅーろー」。雄。推定7歳。

城内の「見回り」をするさんじゅーろー=岡山県高梁市で8月、相原洋撮影 拡大
城内の「見回り」をするさんじゅーろー=岡山県高梁市で8月、相原洋撮影

 4年前の西日本豪雨後に城に姿を見せ、すみ着いた。訪れた人がSNS(ネット交流サービス)に載せたことで評判に。市観光協会は「猫城主」の肩書と1日2回城内を見回る(散歩する)仕事を与えた。名前は備中松山藩出身の新選組隊士・谷三十郎(さんじゅうろう)にちなむ。特製の御座に納まった猫城主。観光客が向けるカメラに人なつこく応じた。定時を無視して見回りを開始。ゆったりとした歩みは見る者を優しい気持ちにさせてくれる。いつの間にか登城の疲れは吹き飛んでいた。

 「天空の山城」といわれるこの城。秋から冬の早朝、雲海に包まれる様子が人々を魅了する。展望台から雲海を見て、開城後にさんじゅーろーに会えたら、願いがかなうと誰かが言ったとか。空も、猫の気分もきまぐれだ。御利益があるかもしれない。【岡山支局長・相原洋】

雲海に浮かぶ備中松山城=高梁市観光協会提供 拡大
雲海に浮かぶ備中松山城=高梁市観光協会提供

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 <メモ>

 天守(木造・国重文)は自然の岩盤上に築かれ、2層2階、高さ11メートル。籠城(ろうじょう)時の城主一家の居室や、戦続きの経験からと思わせるいろりの跡も。入城料500円。管理事務所(0866・22・1487)。「登城」には車で行ける日とシャトルバス利用日があり要確認。展望台へは、JR備中高梁駅前からの乗り合いタクシーも。詳しい情報は「高梁市観光ガイド」(http://takahasikanko.or.jp/)で。


次回は北海道です

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