「実りの秋」消えた… 台風14号で農業被害 九州で大きな爪痕

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台風14号による大雨で冠水した農地や住宅地=宮崎県国富町で2022年9月19日午後3時27分、本社ヘリから上入来尚撮影
台風14号による大雨で冠水した農地や住宅地=宮崎県国富町で2022年9月19日午後3時27分、本社ヘリから上入来尚撮影

 18日夜から19日にかけて九州を縦断した台風14号は各地に大きな爪痕を残し、「実りの秋」を目前にしていた農家からは悲痛な声が聞かれた。

 宮崎県国富町を流れる本庄川沿いでは農地が広範囲に冠水した。30アールの農地が全て水につかり、農業用ハウスのビニールが破れる被害が出た同町田尻の農家女性(82)は「育ったキュウリが泥につかったのを見ると涙が出た。ピーマンの苗も9月に入って植えたばかり。農家の宿命とはいえ……」と言葉を詰まらせた。

 県は「被害状況は調査中」としており全容ははっきりしないが、同町によると、町内では収穫前の水稲50ヘクタールが倒伏・冠水し、生育期の大根やスイートコーンも倒伏などの被害が確認された。2005年の台風14号以来の被害規模となる見込みで、同町農林振興課の担当者は「(ウクライナ危機に端を発した)燃料高騰や肥料・飼料の高騰に苦しむ中での台風被害で、農家にとってはトリプルパンチだ。若い担い手が増えてきたとこ…

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