
離婚後の共同親権の導入をめぐり、賛否が激しく対立している。法制審議会(法相の諮問機関)の部会では現行の単独親権維持と共同親権導入の両案併記の形で、8月中に中間試案を取りまとめ、パブリックコメントにかける予定だったが、自民党保守派の反発で先送りになった。3人の識者にさまざまな視点を提示してもらった。
DV・虐待被害者の危険懸念 赤石千衣子 しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長
2012年施行の改正民法で面会交流が明文化されて以降、共同養育のための法制度はすでに整っている。現在、面会交流している当事者の多くは、共同親権導入の必要性を感じていない。
夫からのDV(ドメスティックバイオレンス)や虐待が原因で離婚した女性は少なくない。共同親権の導入は、そんな女性や子どもたちを危険にさらしかねない。
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