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欧米とアジアで大きく異なる「ウィズコロナ」 全数把握、海外では

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エリザベス英女王の死を悼む市民。新型コロナウイルス対策に伴う各種の行動規制は撤廃されており、マスク姿の人を見つけるのは難しい=ロンドンで2022年9月11日、ロイター 拡大
エリザベス英女王の死を悼む市民。新型コロナウイルス対策に伴う各種の行動規制は撤廃されており、マスク姿の人を見つけるのは難しい=ロンドンで2022年9月11日、ロイター

 新型コロナウイルスの感染者数は日本が8週連続で世界最多――。そんな報道を目にして驚いている人も多いのではないだろうか。では、実際はどうなのだろうか。世界各国・地域の実情を調べると、その背景が見えてきた。

感染者数「日本が世界最多」は誤り?

 海外では全数把握を実質的に取りやめたり、隔離期間を大幅に短縮したりする国が増えている。

米メリーランド州の図書館で無料配布されている新型コロナウイルスの簡易検査キット。陽性になっても医療機関を受診せずに自宅療養するケースが増えている=2022年9月14日、林奈緒美撮影 拡大
米メリーランド州の図書館で無料配布されている新型コロナウイルスの簡易検査キット。陽性になっても医療機関を受診せずに自宅療養するケースが増えている=2022年9月14日、林奈緒美撮影

 米国では医療機関などで実施するPCR検査については、検査機関を通じて、判定結果や患者の年齢、性別、人種などの報告が義務づけられている。だが2021年後半以降、自宅で使える簡易検査キットが徐々に普及し、22年1月からは政府が計5億回分を無償配布。簡易検査の陽性者が受診せずに自宅療養するケースが増加し、感染者数の全容を把握できなくなった。

 経済・社会活動を本格化させるため、感染者や濃厚接触者の隔離期間も大幅に短縮した。米疾病対策センター(CDC)は21年12月の指針改定で、感染者の症状の改善ぶりに応じて、発症後の隔離期間を10日間から最短5日間に短縮した。濃厚接触者の隔離も最大14日間から5日間とし、3回目のワクチン接種を済ませていれば隔離は不要となった。22年8月には濃厚接触者の隔離を不要とし、代わりに高性能マスクの10日間着用などを推奨している。

 英国は今年2月、「新型コロナをインフルエンザなど他の感染症と同様に扱う」として、人口の8割超を占めるイングランドの在住者を対象に、陽性者の自主隔離などの行動規制を撤廃した。陽性でも自主隔離しなくていいため、検査の必要性がなく、当局は感染者の実数を把握していない。

 世界保健機関(WHO)の集計によると、1週間あたりのコロナ感染者は、9月11日まで8週連続で日本が世界最多となった。全数把握を続けているために他の国より感染者数が多くなるのはやむを得ない部分もあり、実際には日本が世界最多ではない可能性がある。

厳しい「ゼロコロナ」続ける中国

 一方、北東アジアでは厳格な対策を続ける傾向がある。

 韓国では今も全数把握を続けている。PCR検査の負担を軽減するため、今年3月からは医師らが実施した抗原検査で陽性が出た場合も感染者とみなす方針をとる。また感染者数の増加に対応するため1月以降、感染者の隔離期間を10日間から7日間に短縮した。ただ、8月に1日あたりの新規感染者数が18万人を超えるなど再流行が本格化したことなどから、韓国政府は現時点では、隔離期間のさらなる短縮には慎重だ。

 感染拡大を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策を取ってきた台湾の当局は今年4月、オミクロン株の急拡大を受けて、感染抑制と社会の経済活動を両立させると表明。実質的な「ウィズコロナ」に転換した。ただ、全数把握は継続しており、感染者は無症状も含めて8日間の隔離が義務づけられる。

 一方、中国はあまりにも厳しいゼロコロナ政策を堅持。感染者や濃厚接触者は軒並み隔離し、経済への悪影響を顧みずに都市封鎖(ロックダウン)を断行するなど、強硬措置を続けている。【ワシントン秋山信一、パリ久野華代、ソウル渋江千春、台北・岡村崇】

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