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円安と物価高

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「ついに来た」為替介入、効果は不透明 続く市場と当局の神経戦

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記者会見する鈴木俊一財務相=東京都千代田区で2022年9月22日午後6時34分、幾島健太郎撮影
記者会見する鈴木俊一財務相=東京都千代田区で2022年9月22日午後6時34分、幾島健太郎撮影

 為替相場は22日、日米の金融政策の方向性の違いが意識され、24年ぶりに1ドル=145円台まで円安が進んだ。危機感を募らせた政府・日銀は24年ぶりの円買いの為替介入についに踏み切った。一方で日銀は金融緩和を当面続ける姿勢を堅持し、米国はインフレ抑制のため利上げを継続する。急激な円安を食い止める為替介入の効果がいつまで続くかは不透明だ。

 「先ほど、断固たる措置に踏み切った」。22日午後5時15分、財務省の神田真人財務官が記者団を集めてこう告げた。ざわめく記者から「為替介入でよいか」と質問が飛ぶと「そうです」とうなずいた。

 これまで政府・日銀は市場で円安が進む度に、鈴木俊一財務相や神田氏らが懸念を繰り返し表明するなどの「口先介入」を繰り返してきたが、円買いの為替介入に踏み切ったのは足元で円安が急速に進んだからだ。22日午前に日銀が金融政策決定会合を開き、大規模な金融緩和の継続を決定。公表文を発表した正午ごろ、144円台で推移していた円相場は待ち構えていたかのように145円の節目を突破した。

 直後に神田氏は「為替の過度な変動は家計や企業に非常に悪影響を及ぼし、容認できない」と市場をけん制し、いったんは144円台に戻った。しかし、午後3時半から日銀の黒田東彦総裁が記者会見し「23年度以降の消費者物価は2%を下回る水準まで低下する。当面金利を引き上げることはない」と述べ、金融政策の先行き指針についても「変更は2~3年後の話と考えていい」と踏み込んだ発言をすると、円売りが再び加速。会見中に145円台後半まで下落した。

 ところが午後5時過ぎ、円相場が突如急騰した。円買い・ドル売りの為替介入がこの時あったとみられ、一時は1ドル=140円台まで円が買い戻された。

 「ついに来たか!」――。東京都港区にある為替取引専門の金融業者「外為どっとコム」のディーリングルームでは、為替介入の一報が伝わるとディーラーたちはどよめいた。市場関係者の電話が鳴りやまなくなり、顧客の売買注文への対応に追われた。外為どっとコム総研の高橋進吾・情報企画部長は「米国の理解を得るのが困難な為替介入には踏み切れないと思っていた。かなり驚いている。どのくらいの規模で介入を行ったのか、今後詳細が明らかになってくると思う。引き続き情勢を注視したい」と興奮気味に話した。

 インフレ退治を最優先課題とする米国は介入に後ろ向きだった。午後6時半から記者会見した鈴木財務相は「各国のコメントは控えたい」としつつ、「昨年の段階から主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議等で、為替についての日本の憂慮は話をしている。今日も連絡を取り合っている」と米国などの理解を得ているとの認識を示した。

 為替介入の効果はどこまで続くのか。過去には実施の有無を公表しないケースもあったが今回、財務省はあえて介入したことを発表した。鈴木財務相は「総合的にその方が良いと考えた。効果を高からしめる(ために発表した)」と説明。一方で介入の規模などについては「手の内をさらすようなことは申し上げないのが常識」と言及を避けている。

 経団連の十倉雅和会長は「政府が投機的な動きを放置しないことには意義がある。ただ、…

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