西九州新幹線、23日開業 逆境の出発、早くも問われる真価

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全4編成が勢ぞろいした新幹線N700S「かもめ」=長崎県大村市で2022年9月11日、石田宗久撮影
全4編成が勢ぞろいした新幹線N700S「かもめ」=長崎県大村市で2022年9月11日、石田宗久撮影

 佐賀、長崎両県を結ぶ九州新幹線長崎ルート(西九州新幹線)が23日、開業する。1973年の整備計画決定から半世紀。紆余(うよ)曲折を経て九州の西端の66キロ区間のみ開業する日本一短い新幹線だ。沿線では福岡県や関西方面への移動時間短縮による交流活性化など地域浮揚への期待が高まる。一方で未着工区間の整備方針を巡っては国と佐賀県との対立が続き、その効果や必要性を疑問視する声もある。逆境の中で走り出す新幹線の真価が問われる。

最短区間、「飛び地」の整備

 「新幹線を起爆剤に沿線の方々とともに地域を盛り上げていきたい」。西九州新幹線開業を控えた9月、JR九州の古宮洋二社長は記者会見で意気込みを語った。

 西九州新幹線は、武雄温泉(佐賀県武雄市)―長崎(長崎市)を新線で結ぶ。在来線特急で最短1時間50分だった博多(福岡市)―長崎は、武雄温泉駅のホームで博多発着の特急と新幹線を乗り継ぎ最短1時間20分で結ばれる。人口減少や経済の低迷に悩む長崎。30分の時間短縮効果に観光関係者は「新型コロナウイルス禍に光が差した。観光客の増加に期待している」(ホテル経営者)と歓迎する一方、新大阪―長崎は最短3時間59分で「関西方面からの集客は全線開通でないと意味がない」(飲食店主)との懐疑的な見方もある。

 新幹線は遠隔地への移動時間短縮が強みだ。2011年全線開業の九州新幹線鹿児島ルート・博多―鹿児島中央(鹿児島市)は在来線で4時間近くかかったが、最短約1時間20分に短縮。航空機から旅客が流入し、山陽新幹線に乗り入れ関西方面からの観光客も増えた。

 西九州新幹線は、北海道、東北、北陸、九州(鹿児島ルート)とともに国が1973年に整備計画を決定。当初はフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)を開発し、新鳥栖(佐賀県鳥栖市)―武雄温泉の在来線と九州新幹線を経由して博多―長崎を結ぶ予定だった。しかし、技術的な問題で政府は18年にFGTを断念し、新幹線フル規格…

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