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医薬品開発、「ラグ」より危うい「ロス」が迫る

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15年前に厚生労働省が策定した「新医薬品産業ビジョン」。ドラッグ・ラグの解消がうたわれ、一定の効果を上げたが、今新たな問題に直面している=横田愛撮影
15年前に厚生労働省が策定した「新医薬品産業ビジョン」。ドラッグ・ラグの解消がうたわれ、一定の効果を上げたが、今新たな問題に直面している=横田愛撮影

 新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)では、各国における薬を開発する力、つまり「創薬力」が試されました。この分野に強かったはずの日本が後手に回ってしまい、多くの医薬品を輸入に頼ることになった経過を取材してきましたが、実は足元でさらに心配な事態が拡大しているようです。今回は、最先端の医薬品アクセスを巡る話です。【くらし医療部・横田愛】

 日本にいたら、海外の画期的新薬がいつまでたっても使えない――。そんな事態が迫りつつある。

 製薬業界や霞が関で今、注目されているデータがある。2020年末までの5年間に欧米で薬事承認された新薬246品目のうち、7割強の176品目が日本では未承認というものだ。16年末時点に比べて1・5倍に増えているという。

 調べたのは、日本製薬工業協会のシンクタンク「医薬産業政策研究所」の総括研究員、飯田真一郎さんら。昨年、第1弾となるデータを公表したのに続き、この夏、背景を探ったリポートをまとめた。「必要な医薬品が日本人まで届かないという、新たな問題が起き始めている」と飯田さん。どういうことなのか。

 海外に比べ…

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