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三つの時代を生きた駄菓子

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長く愛されてきた駄菓子「ビンラムネ」。ストローはどこからさしてもOKだ=2022年9月22日、赤間清広撮影
長く愛されてきた駄菓子「ビンラムネ」。ストローはどこからさしてもOKだ=2022年9月22日、赤間清広撮影

 9月26日は「ワープロ記念日」。1978(昭和53)年のこの日、東芝が世界初の日本語ワープロ「JW―10」を発売したことにちなんだものです。販売価格は1台630万円。まさに憧れの的でした。

 しかし、時代の主役はパソコン、スマートフォンに移り、国内で最後までワープロ製造を続けてきたシャープも2002年に生産・出荷を終了しました。時代の流れには逆らえないということでしょうか? 今日は、それにあらがい続けている駄菓子の話です。【経済部・赤間清広】

 昭和を彩ったヒット商品が次々と姿を消している。

 日産自動車は小型車「マーチ」の日本向け生産を8月末で終了した。海外市場向けは当面、生産を続けるものの、82(昭和57)年の発売以来、約40年にわたって愛されてきた日本のマーチの歴史は途切れる。

 同じ82年発売の三菱自動車「パジェロ」も21年で生産を終えている。国内のRV(レジャー用多目的車)ブームをけん引してきた昭和、平成を代表する名車はひっそりと現役を終えた。

 自動車だけではない。花王は70(昭和45)年から販売してきた「ガードハロー 薬用ハミガキ」の生産を10月末で終了する。店舗の在庫がなくなり次第、白地に赤と青がプリントされたおなじみのパッケージは姿を消すことになる。

 毎日のように新商品が登場し、消費者の趣向も変化し続ける中、一時代を築いたベストセラーといえど生き残るのは容易ではない。

 一方で、すべてが合理性だけで動いているわけではない点が、人がかかわる「経済」の面白いところでもある。

 ビンラムネという駄菓子がある。ビンの形をしたモナカの中に粉末ラムネが入った素朴な商品だ。モナカにストローをさしてラムネを吸い出しながら食べるが、勢いよく吸い込みすぎてむせて苦しんだ経験がある人も少なくないのではないだろうか。

 その歴史はピンチの連続だった。

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