特集

ウクライナ侵攻

ロシア軍がウクライナに侵攻。米欧や日本は対露制裁を決めるなど対立が先鋭化しています。

特集一覧

「国連を徹底的に侮辱している」米国務長官がロシア非難 安保理会合

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
国連安全保障理事会の閣僚級会合で、ラブロフ露外相(前列左端)の発言を聞くブリンケン米国務長官(同右端)ら=2022年9月22日、AP 拡大
国連安全保障理事会の閣僚級会合で、ラブロフ露外相(前列左端)の発言を聞くブリンケン米国務長官(同右端)ら=2022年9月22日、AP

 国連安全保障理事会は22日、ロシアによるウクライナ侵攻後初となる閣僚級会合を開いた。ブリンケン米国務長官やロシアのラブロフ外相が出席し、会合は非難の応酬となった。ウクライナのクレバ外相も参加し「ロシアはウクライナだけではなく、国連憲章の理念も攻撃している」と訴えた。

 テーマは「(犯罪者の)不処罰との闘い」。ロシア軍の戦争犯罪を調べる国際刑事裁判所(ICC)のカーン主任検察官が初めに捜査状況を説明した。多数の民間人が虐殺されたとみられる首都キーウ(キエフ)などを訪問した時を振り返り、「死体は偽物ではない。建物や学校の破壊はあまりにも現実的だった。民間人を意図的に狙ったと信じるに足る情報がある」と述べた。

 会合では、プーチン露大統領が発動した部分的な動員令や、親露派勢力によるウクライナ東・南部での「住民投票」を巡り、米欧などから非難が集中した。

 ブリンケン氏は、動員令発動が21日だったことから「世界の大半が国連に集う今週を選んで自らつけた火に油を注いだ。国連の憲章、総会、安保理を徹底的に侮辱している」と指摘した。「国際秩序そのものが我々の目の前でずたずたに引き裂かれている」と語った。

 さらに、プーチン氏が核兵器の使用をちらつかせていることから「安保理のすべての理事国が核の脅しを直ちにやめるように明確なメッセージを送るべきだ」と要請。ウクライナへの継続した支援を呼びかけ「ロシアが戦いをやめれば、戦争が終わる。ウクライナが戦いをやめれば、ウクライナが終わる」と強調した。

 ラブロフ氏は自身の発言の順番が来る直前に登場した。ウクライナに軍事的支援を実施している米欧に対し「武器を送り込んでいる目的は明白だ。どれだけ犠牲者があってもできるだけ長く敵対行為を延長させ、ロシアを弱体化させるためだ」と指摘した。ウクライナへの「特別軍事作戦」は不可避だったとし、「ウクライナがロシアの安全保障に対する脅威を作り出した」と述べた。

 ラブロフ氏は発言が終わるとすぐに退席。次の順番だった英国のクレバリー外相は「集中的に非難されるのを聞きたくなかったからだ」と皮肉った。

 ウクライナのクレバ外相は「ウクライナにおけるロシアの犯罪のどれもが、ロシアの指導者が犯した侵略の罪なしにはありえなかった」と述べ、ウクライナに対する侵略の罪を裁く特別法廷の設置を改めて求めた。演説後、「ラブロフ氏は今日もプーチン大統領のプロパガンダを繰り返した。なぜ会う必要があるのか」と記者団に語り、月末までのハイレベルウイーク中にロシア側と会談の予定はないとの見通しを示した。

 冒頭に演説したグテレス事務総長は、国連人権高等弁務官事務所が報告している民間人や捕虜の処刑、性的暴力、拷問など「すべての疑惑が徹底的に調査されなければならない」と指摘。「加害者は公正で独立した司法手続きで責任を負わなければならない」と述べ、すべての当事者がICCに全面的に協力するよう呼びかけた。

 安保理は、ウクライナ侵攻に関する決議案に常任理事国のロシアが拒否権を行使して採択を阻むなどし、機能不全に陥っている。バイデン米大統領は21日に行った一般討論の演説で常任・非常任理事国の数を拡大することに支持を表明している。【ニューヨーク鈴木一生、隅俊之】

【ウクライナ侵攻】

時系列で見る

関連記事

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集