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ウクライナ4州でロシア編入問う「住民投票」実施 「偽り」と非難も

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ウクライナ東部ドネツク州での「住民投票」に先立ち、作業を点検する地域統治機関の関係者=2022年9月22日、ロイター 拡大
ウクライナ東部ドネツク州での「住民投票」に先立ち、作業を点検する地域統治機関の関係者=2022年9月22日、ロイター

 ロシアが実効支配しているウクライナ東部と南部の4州で23日、現地の親露派勢力が中心となり、ロシアへの編入の是非を問う「住民投票」が始まった。ロシアメディアが報じた。投票は27日までの予定だが、全4州で賛成票が多数を占めたと発表されることが確実視されている。その後にロシアが編入を宣言するとみられており、国際社会は「偽りの投票」になると非難している。

 投票が行われているのは東部ドネツク、ルガンスク両州と南部ヘルソン、ザポロジエ両州。タス通信によると、ルガンスク州の関係者は28日に投票結果を発表すると説明しており、他州でもこの日に発表される可能性がありそうだ。

 ロシアは当初、もっと早い時期に住民投票の実施を狙っていたが、想定通りに占領地域を拡大できなかったことから、11月上旬に先延ばししていた。しかし9月に入って北東部ハリコフ州で広大な占領地域を失ったこともあり、再び方針を変更し、23日の投票開始を指示したとみられる。

 プーチン露大統領は21日、部分的動員令を発動すると発表した演説で、4州での住民投票の「結果を支持する」と言明。全州で賛成票が多数となる前提に立ち、自国に編入する方針を明示した発言といえそうだ。

 ロシア前大統領のメドベージェフ安全保障会議副議長も22日、通信アプリ・テレグラムへの投稿で「戦略核を含む全ての兵器を使い(ロシアに編入された後の地域を)防衛する」と書き込んだ。投票が実施された後の4州がロシア領であると主張することにより、ウクライナ軍に攻撃をちゅうちょさせる狙いがあるとみられる。

 ラトビアに拠点を置くロシアの独立系メディア「メドゥーザ」によると、それぞれの州全域のうち、ロシア側が支配しているのはルガンスク州で99%、ヘルソン州で93%、ザポロジエ州で65%、ドネツク州で64~65%と推計されている。そのためヘルソンやドネツクなどの州では、安全に投票できるのかを不安視する声も出ている。

 一方、ウクライナのクレバ外相はツイッターへの投稿で「いんちきの『住民投票』では何も変わらない」とロシア側の動きを非難。米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も「投票は操作され、ロシアが編入に投票結果を利用することは分かっている」としている。

 ロシアは2014年3月にも、自国軍が占拠したウクライナ南部クリミアで住民投票の結果を理由にして、同地を強制編入していた。【大前仁】

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