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描く怖さもあった 漫画「コウノドリ」コロナ編、なぜ再び筆を執ったか

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「コウノドリ 新型コロナウイルス編」に込めた思いを語る漫画家の鈴ノ木ユウさん=東京都中野区で2022年8月24日、手塚耕一郎撮影
「コウノドリ 新型コロナウイルス編」に込めた思いを語る漫画家の鈴ノ木ユウさん=東京都中野区で2022年8月24日、手塚耕一郎撮影

 産婦人科医療の現場を描いた人気漫画「コウノドリ」(講談社)の新作となる「新型コロナウイルス編」の単行本が刊行された。未知のウイルスに直面した医師や助産師らが迷い、悩みながら出産に向き合う姿が、臨場感たっぷりに描かれている。連載終了から約2年を経て、コロナ禍を題材に再び筆を執ったのはなぜなのか。作者の鈴ノ木ユウさん(49)に聞いた。【諸隈美紗稀】

「やりきった」と思ったが

 「コウノドリ」は、2013~20年に週刊漫画雑誌「モーニング」で連載された。産婦人科医で天才ピアニストでもあるという二つの顔を持つ主人公・鴻鳥(こうのとり)サクラを中心に、医療従事者や妊婦らの人間ドラマを描いた。未受診妊婦や高齢出産など、実際に妊婦を取り巻く課題に焦点を当て、「出産の奇跡」を伝えた。綾野剛さん主演で、坂口健太郎さんらが出演しテレビドラマ化もされ、単行本(全32巻)の発行部数は22年7月現在で950万部に上る。

 鈴ノ木さんが作品の着想を得たのは、妻の幼なじみの産科医や、長男を取り上げたりんくう総合医療センター(大阪府)産科医の荻田和秀さんの話からだった。荻田さんをモデルに病院の協力も得て取材を重ね、連載は7年間に及んだ。

 連載に区切りをつけた理由を、鈴ノ木さんは「妊婦さんの不安解消や、妊娠の正しい知識の周知のために描き始めましたが、ほとんどやりきってしまいました」と語る…

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