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普段は人なつっこい笑顔でファンの多い人気力士は、土俵に上がれば衰え知らずの馬力で相手を圧倒する。東京・両国国技館で25日に千秋楽を迎えた大相撲秋場所で、幕内最年長優勝を果たした東前頭3枚目の玉鷲(37)。優勝直後のインタビューで「お客さんの熱い応援のおかげ」と感謝した「角界の鉄人」は、工夫を凝らした稽古(けいこ)で若さを保っている。
モンゴル出身で元々はホテルマンを目指していた玉鷲は18歳の夏、日本に留学していた姉を訪ねて来日した。東京・両国国技館周辺を歩いていると、相撲の稽古の音が聞こえてきた。当時の井筒部屋にたどり着くと、同じモンゴル出身の力士がいた。「まだ三段目に上がったくらいだった」という鶴竜親方(元横綱)との出会いが運命を変えた。
モンゴル出身力士は、モンゴル相撲や柔道、バスケットボールなどで実績のあるケースが目立つ。玉鷲は目立ったスポーツ経験はなかったが、鶴竜親方らの仲介で入門への道を開いた。
子どもの頃に相撲を始めた力士に比べれば、玉鷲の相撲人生は短い。鶴竜親方は「入門して(相撲を始めて)20年たっていない。飽きることなく続けられているのでは」と語り、心のフレッシュさを37歳で現役を続ける理由の一つに挙げる。
2019年初場所で悲願の幕内初優勝を成し遂げたが、その後は、思うように勝てない日々が続いた。「そろそろ(引…
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