性別での区分けに違和感 「少年役」で「女優賞」 声優・緒方恵美さんの問い
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私が「女優賞」でいいんですか--。人気アニメ「エヴァンゲリオン」シリーズの主人公、碇(いかり)シンジ役で知られる人気声優の緒方恵美さん(57)が今年3月、「第16回声優アワード」で主演女優賞に選ばれ、受賞インタビューでそう戸惑いを語った。約30年のキャリアの大半で「少年役」を演じており、今回の受賞も少年である「シンジ役」などが評価されたという。緒方さんが投げかけた「問い」を考えたい。
「声優アワード」は、その年度に最も印象に残った声優や作品を選出する。日本音声製作者連盟と出版社・放送局がアニメ業界と協力する業界最大の式典だ。その華やかな舞台で、ベテラン声優の発言は注目を集めた。
「業界のために訴えたいとか、そういうのではなくて、単純に自分の中にあった違和感をお伝えしたかったので。(少年役が多い)そんな自分が『女優賞』をいただいてしまってよいのだろうかと」
終始、柔らかい口調で、取材に応じてくれた緒方さん。「違和感」は、このアワードの開催要項にある。主演女優賞・主演男優賞の説明に「作品の中で主演として活躍された声優」と記され、そこに「役柄ではなく、ご本人の性別」と書いてある点だ。このため、少年役を演じた緒方さんは、「女優」の枠組みで審査を受け、主演女優賞を受賞した。
緒方さんは受賞後、「声優アワード」の公式インタビューで、こう語っている。
<ジェンダーフリーが叫ばれる昨今、世界の映画祭でも「男優賞」「女優賞」と分けるのをやめるところが出てきたり、いろいろな変化が起こっていますが、…
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