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長崎県松浦市沖に沈む元寇船(げんこうせん)の木製いかりが10月1日、引き揚げられる。近くの海底には元寇船が2隻沈んでおり、初の船体引き揚げを見据えた調査の意味合いもある。長崎・対馬での戦いを舞台にしたゲームの世界的ヒットなど、近年の元寇ブームを背景に、地元は船体引き揚げへの機運の高まりに期待する。
元寇はモンゴル帝国(元)による2度の日本侵攻のことで、このうち2度目となる弘安の役(1281年)の際、暴風雨で松浦市の鷹島(たかしま)沖に元軍の4400隻が沈んだとされる。いかりは2013年、鷹島沖約150メートル、水深約20メートルの海底で見つかり、水中に沈めるためのいかり石と合わせ、重さは500キロ程度とみられている。
周辺ではこれまでに9基のいかりが引き揚げられているが、いずれも港湾工事に伴う調査だった。それに対し、今回は将来の元寇船本体の引き揚げを目指して初めて実施する計画的な調査で、事前の発掘調査なども含めた事業費は1936万円。引き揚げ後は、船体への応用を見据えた新技術を使って保存する。
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