連載

14色のペン

国内外の異なる部署で取材する14人の中堅記者が交代で手がけるコラム。原則、毎日1本お届けします。

連載一覧

14色のペン

犬と一緒に鑑賞OK 型破りの美術館が問いかけるもの

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
壁一面が赤く塗られた展示室は照明がなく、自然光のみ。美術館は日没とともに閉まる=沖縄県糸満市米須で2022年9月24日午後2時13分、比嘉洋撮影
壁一面が赤く塗られた展示室は照明がなく、自然光のみ。美術館は日没とともに閉まる=沖縄県糸満市米須で2022年9月24日午後2時13分、比嘉洋撮影

 学生の頃、欧州の美術館を訪ねると、来館者があちこちの床に座り込んで目の前の作品の模写やスケッチに励んでいる姿を見て、「そんなことしていいの?」と驚きました。日本の美術館ではあまり見ない光景ですが、沖縄にはおおらかな雰囲気なら欧州にも引けを取らない型破りな美術館があります。訪れたらアートとの向き合い方が変わるかもしれません。【那覇支局・比嘉洋】

 沖縄本島最南端の糸満市。「世界一小さな現代美術館」を自称する私設美術館「キャンプタルガニーアーティスティックファーム」は閑静な住宅街にある。約500坪の敷地に芝生の庭、赤瓦の古民家、コンクリート製の展示室などが配置され、一見洒脱(しゃだつ)な邸宅のようだ。門を開け、レンガ畳の小道から玄関に向かうと、周りの庭に大きなお尻や唇などをモチーフとした彫刻が点在し、ここが美術館だと気付かせてくれる。

 本館に当たるだろうか。運営する館主の大田和人さん(75)=那覇市=の案内で古民家の玄関に上がると、驚いた。先ほど庭先にいた老犬が一緒に入ってきた。犬と一緒に美術品を巡る経験は初めてだ。…

この記事は有料記事です。

残り1161文字(全文1624文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る
この記事の筆者
すべて見る

ニュース特集