古くて新しい水害対策「輪中」 現代にマッチする江戸時代の治水術

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石川県小松市の梯川では、川の本流と、枝分かれした水路の間に浮かぶ小松天満宮が輪中堤で囲われ、水害から守られている=丸西組提供
石川県小松市の梯川では、川の本流と、枝分かれした水路の間に浮かぶ小松天満宮が輪中堤で囲われ、水害から守られている=丸西組提供

 全国各地で大雨や台風による深刻な被害が相次ぐ中、宮城県が7月の豪雨で浸水した地域に「輪中堤」の構築を検討している。「輪中」と言えば、愛知県などを流れる「木曽三川」の下流域で江戸時代に発展した治水術。それがなぜ現代の東北に? 東海地方出身の記者(35)には琴線に触れるものがあり、取材を進めると「古くて新しい」水害対策として時代にマッチする輪中の姿が見えてきた。【小川祐希】

 輪中とは、家屋などを洪水から守るために周囲を堤防で囲われた集落や、その堤防のこと。とりわけ水量の多い木曽川、揖斐川、長良川の「木曽三川」が互いに近接する濃尾平野南西部の低地では古来洪水が頻発し、その対策として編み出されたのが輪中だ。江戸時代には今の愛知、岐阜、三重3県の県境一帯に約80もの輪中が築かれたという。

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